「わたしの台所」

2011.10.9

「わたしの台所」

 読書の秋ですね。本を読みふけるのは本当に楽しいこと・・秋とはいえ、なんだかバタバタ・・なかなかじっくりとそんな時間を持つことができいない自分自身が、残念なのですが・・。
でも、そんな私にとって、とても嬉しいラジオ番組があります。作家小川洋子さんによる、書籍案内の番組(東京FM 日曜日の午前中)。難しい本も、気軽な本も小川さんのセンスで柔らかくもみほぐされ、時に、「あ、読んでみたいな・・」と思えるように、また時には、すでに読んでいた本の別なる解釈の仕方を見せていただき「ほーーっ」と感心させられたりと・・本当に楽しい番組です。

 そんな番組の中で、先日、沢村貞子さんの「わたしの台所」を紹介されていました。沢村さんは、ある程度の年齢の方なら皆さんご存じの「昭和の名女優」。もちろん、お芝居をされている姿も粋ですてきだなと子供心に思った記憶があるけれど、何より記憶に残っているのが、学生の頃買った「わたしの台所」と言う本。そう、すっかりその存在をも忘れかけていたところ・・。
この一冊を、番組で取り上げていただき、本を読むふけっていた頃を思い出し・・・自分自身の食生活、台所人生をじっくり思い返すことができたような・・・。
どんな一冊かというと、たわいもない、毎日の台所話なんです。でも、なんだかすてきで、とっても筋が通っていて、とにかくおいしそう。「きっちり生きる」ことの大切さを、がつんと教えられた一冊だったように、そんな記憶があったかなと思いだしました。もちろん何が書いてあったか逐一覚えてはいないけれど、強烈に印象に残っている一冊であることは確か。
そうなると俄然読みたくなり、即、探して読み始めると・・。これが本当に心地よい(おもしろいというのではなくて、スルッとその世界に身を置けるような感覚)。台所を大切にし、食べることを楽しみ、凛と生きる。年代で言えば、ちょうど祖母の世代でしょうか・・私自身、母も仕事を持つ家で幼き頃、祖母とともに暮らした記憶もあるからでしょうか・・・、妙に懐かしく、そしてとても勉強になる一冊。
今までも、これからも食を楽しみ、食を慈しみ、台所が自分の舞台として生きていきたいなと思う私としては、大切な一冊として、手元に置いておかなければ・・と再確認いたしました。

しまい込んで忘れていた宝物・・・。そんな本、ちょっと思い出してみると、どなたにも1冊、2冊はあるのでは? 若き頃、幼き頃を思い出して、探してみられてはいかがですか? きっと楽しい読書の秋になること間違いなしですよ。

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