フランスの家庭でポピュラーな「蒸し料理」とは?

1冊目の『フランス人は、3つの調理法で野菜を食べる。』が発売されたのが2016年9月。それから毎年9月に1冊ずつ刊行され、おかげさまでご好評をいただいている「フランス人の3種」シリーズ。このたび4冊目の『フランス人に教わる3種の “新” 蒸し料理。』が完成しました。今回フィーチャーしたのは、フランス流の「蒸す」という調理法です。

従来のイメージでは「蒸す」調理法は中国や日本などアジアが主流と思われていますが、実はヨーロッパでもよく使われています。素材に蒸気で火を通すのが共通項ですが、アジアのように大きな蒸し器を使うわけではありません。フライパンの底に水を張り、濡れないようにお皿やオーブンシートを敷いた上に食材を置いて、きっちり蓋をして加熱。ふっくらジューシーに仕上がる合理的な調理法です。ヨーロッパで目の当たりにしたそんなテクニックを、いつか書籍にしてご紹介できたらと思っていました。

詳しくは本をご覧いただきたいのですが、フランスの家庭でポピュラーな「蒸し」の方法は、大きく分けて3種類あります。日本の蒸しに近い「ヴァプール」、油分と水分で蒸す「エチュベ」、スープベースで蒸す「ブレゼ」。特に調味液で蒸す方法は、素材の味がしみ出してさらにおいしくなった液を、素材が吸い込んで旨味を増すうえ、栄養分も流出しないという素晴らしさです。

ヨーロッパで蒸し料理が発展したのは、現地の水が硬質で、野菜などをゆでてもあまりおいしく仕上がらないから。でも、かといって電子レンジで加熱するのは嫌う食いしん坊の現地の人々。野菜はていねいに蒸すことでおいしくなるので、そこからエチュベのような調理法が生まれてきたのだと思います。

3つの調理法ごとに章を分けて解説し、素材に合わせて塩味ベース、酢を効かせた味、トマト味などバリエーションも楽しめるようにしました。最適な食材や、ぴったりのソースのご提案もしています。

蒸し料理のメリットはもうひとつあります。蓋をぴっちり閉めて加熱するので、油や水がはねることがなく、火口まわりが汚れません。片付けが楽だと、トライしてみようという気が起こってきませんか?

一冊手元に置いておけば、小さなおかずからメイン料理まで、ヘルシーでおいしい蒸し料理が完全マスターできます。これまでの4冊の中でも特に作りやすく、献立に加えやすい料理が揃ったと思います。蒸気でキッチンが暑くなるので夏の間は敬遠しがちでも、少し涼しくなってきた今からなら、ぴったりの蒸し料理。新しい季節の食卓を賑わせる新しい一皿を、ぜひ作ってみてください。

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