名もなき料理・・

2011/4/12

名もなき料理・・

ここ1ヶ月、わが家の食卓に小さな変化がありました。
もちろん仕事柄、どんな料理でもお任せ・・どんな素材でも調理します! と言うのが私の、取り柄ではありますが・・・。
 と言うのも、震災後の、食材にまつわるいろんなトラブル・・店舗から商品が姿を消し、今まで感じなかった何となくざわつい空気の街中。多少の不自由はあったとしても、何の問題もなく、調理をして生活できる東京なのに、なぜ・・・・と思う毎日でした。
そんな中、毎日の生活で生まれたた小さな変化とは、わが家のキッチンで多くの「名もなき料理」生まれたと言うこと。通常、子供達に「今晩のごはんは何?」と聞かれて「○○○!」と答えられ、聞いた方も「了解!」 とい理解できる、言わば「わが家の定番のおかず」が並ぶ事が多いのが、わが家の食卓でした。でも、ここ1ヶ月は、ちょっと変化が・・。ある物を上手に使い、ちょっと残った物を無理して食べきらずに、翌日の一品に繰り回しをしたり、いつも以上に乾物を頼りにしたり、普通だったら合わせない食材を取り合わせ、おいしくなるように調味料や調理方法を変えてみたり・・。

難しいことではありません。 以前、胴だけを使って残りを冷凍庫に入れっぱなしだった、「いかの足」があるとしましょう。通常なら里芋を買ってきて、一緒に煮物にしたり、白菜、にんじん、椎茸・・・・とそろえて、八宝菜を作ったり・・と定番で使うことが多いのですが・・特別に買い物も行かず何か? と考えてみると、意外とアイディアが生まれてきます・・

「家に転がっている、タマネギと炒めてみる!」・・そのままでは味気ないので、2つを取り持つ食材を探してみると、見つかりました! これまた常備のにんにくが適役。タマネギはあまり薄切りにしすぎず、食感が残る程度の櫛形切りに。オリーブ油で炒め、塩、こしょうでも良し、サラダ油で炒めて仕上げは醤油でも。

トマト缶があれば、サッと炒めた後に加えてパスタソースにしてしまう・・・冷凍庫の隅に「いか足」が見つかるだけで、そして、ちょっとがんばって考えてみると、これだけ・・料理の幅が広がります。

乾物も同じ・・、日頃、煮物にしかしない、ひじきも、今日はツナとサラダ風に。長いもと一緒に酢の物に。 残った煮物は、ひじきごはんやひじき炒飯に早変わり・・・。

知恵を駆使し、挑戦を楽しみ、成功を喜び、食卓を彩る・・そんな柔軟な調理力が、問われたここ1ヶ月。定番も、日頃なかなか作らない手の込んだ料理も、知恵を絞って作る名もなき料理も・・みんなごちそう。すべてを回しながら、毎日の食卓を彩るのは大変なこと・・

でも、毎日食卓を彩れる事は、実はとても豊かで、本当に幸せなこと。 今日もお腹が空いた! と1人で食べるごはんも。 誰かと共に楽しく食べるごはんも・・。元気だからこそ味わえる。そんな時間を大切にしなければ・・・と改めて思った私でした。

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