塩糖水漬けでお肉をおいしく

発売中の『暮しの手帖』98号の特集、「塩糖水漬けでお肉をおいしく」を担当させていただきました。

「塩糖水(えんとうすい)」とはその名の通り、塩と砂糖を溶かした水のこと。昨年秋発売の共著『暮しの手帖別冊 これで よゆうの晩ごはん』でもご紹介した方法なのですが、これが際立って使える!ということで、さらに詳しくご紹介しています。

この「塩糖水」にお肉を漬け込むと、まず塩によって塩味がつき、肉の中の保水力がアップします。砂糖にも保水力をアップさせる力があり、さらに肉をしっとりとした食感に変えてくれます。そして水に漬かっているため、水分をたっぷり補いながらその工程が進んでいきます。つまり、肉に適度な塩味がつき、水気が逃げないのでかたくならない、とても理にかなった方法というわけです。

塩糖水から取り出した肉は、水気を拭いて焼くだけでシンプルなおいしさ。もちろんしっとりジューシー。パサついてかたくなりやすい豚もも肉や鶏むね肉、ささみなどは最適です。漬け込んだ鶏むね肉を薄切りにしてしゃぶしゃぶにしたり、そのままチキンカツにしたり、クリーム煮にしたり。鶏ささみは蒸してサラダ仕立てもいいし、鶏天もサクサクジューシーな絶品に仕上がります。塩麹に漬けた肉もおいしいですが、塩糖水は味にクセがないので、より汎用性が高いのもメリット。いい塩梅に漬かった肉は、水を抜いて冷蔵庫で4日ほど保存可能。日持ちするのもうれしいところです。

「塩糖水」を思いついたきっかけは、若い頃に働いていたフランスのシャルキュトリー(豚肉加工店)で、ハムを仕込むときに使う「ソミュール液」。濃い食塩水にスパイスやハーブが入っていて、肉を漬け込むと深い味わいと食感がプラスされるのです。これを他のお肉でやってみたらどうなるだろう? と、いろいろ試行錯誤して、今回ご提案した内容になりました。

ちなみに、「塩糖水」の名付け親は、暮しの手帖の編集の方。『暮しの手帖』の後ろの方に「試作室から」というレギュラーページがあるのですが、98号では私が登場して、裏話をご披露していますので、よろしかったらご覧ください。ご感想があれば、ぜひ編集部に送ってくださいね。

冷蔵庫に塩糖水漬けのお肉があれば、疲れて帰宅した夜も、取り出して焼いて野菜をちょっと添えるだけで、おいしくヘルシーな一品があっという間に完成。塩と砂糖を入れて振り混ぜただけの液体が、お肉料理をぐっとおいしく、ラクに、楽しくしますよ!

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