香りと香りをぶつけ合う。夏のハーブの使い方

6月の前半、1週間ほどフランスに滞在してきました。フランスでも夏になると、国内の地方でいえば南仏、海外なら北アフリカや中東、東南アジアなど、暑い土地の料理を楽しむことが多くなります。

これらの料理に共通するのは、ハーブがふんだんに使われていること。ほとんどのハーブの旬は夏で、どんどん収穫できるためか、この季節になると市場やスーパーマーケットには、まるで花束のようにまとめられたさまざまな種類のハーブが並びます。こんなにたくさんどうするんだ?という量ですが、そんなハーブのブーケを全部使い切れないかというとそんなことはなく、葉っぱはちぎって、茎はざくざくと刻んで、かなり多めの量を料理に入れて楽しむのです。そんな彼らのやり方を見ると、これが本来のハーブの使い方なんだなと気づかされます。そしてこのやり方を見習って料理を作ってみると、日本の蒸し暑い夏にも合う、新しいおいしさが発見できます。
たとえば、たっぷりのバジルやパクチーを丸ごと茎まで(ときには根っこまで)刻んで、炒め物に混ぜてみてください。ハーブの香りがダイナミックに口の中で弾け、体も気持ちもとても元気になります。タイ料理のガパオ炒めをバジルで作るなら、葉先を少量つまんでのせるのではなく、ぜひ2人分で1パックくらい使い、茎も捨てずに全部入れましょう。さらに、ここに同じ量のパクチーも加えれば最強です。香りの強いハーブは単体でなく、合わせて使うと、どちらも負けずどちらも勝たず、拮抗したまま実におもしろい味わいのハーモニーを奏でます。冷奴やトマトサラダにのせるしそとみょうがが、勝ち負けなしで引き立て合う、あの感じです。
ベトナムのフォーや揚げ春巻きは、たっぷりのミントとパクチーと一緒に食べますね。イタリアンパセリ、チャービル、ディル、ミントなど数種類のフレッシュハーブを混ぜ合わせてドレッシングで和えれば、香り高いハーブのサラダのでき上がり。味わいもパワフルで、肉料理の素敵な付け合わせにもなります。
ほかには、セージとイタリアンパセリも意外とよいコンビ。ローズマリーだけはちょっと個性が強いので、単独で使うのがおすすめですが、いろいろなハーブの組み合わせを試して、好きなコンビを見つけるのは楽しいもの。ハーブは仕上げに添える飾りではなく、香り高い緑黄色野菜。たっぷりのハーブの香りをぶつけ合い、清涼感をプラスした料理で、フレッシュなエネルギーを体に取り込み、夏の元気をチャージしてください。

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