夏の和食にひと振り! ナンプラーの威力

例年よりは涼しい日が続いていますが、これからやってくる猛暑に備えて、夏をのりきるおすすめ食材の話をもうひとつ。

ナンプラー(ニョクマム、魚醤)を買ったけれど、生春巻きのたれくらいしか使い道がなくて、冷蔵庫に余らせている人は多いのではないでしょうか。実は私もそうで、アジアのごはんは好きですが、かの国々を旅する機会が多かったり現地の食事を詳しく知っていたりするわけではないので、あまりたくさんの使い道を思いつけませんでした。でもある暑い日に、もしやと思ってしょうゆの代わりに使ってみたら、あの独特の香りが蒸し暑い気候とシンプルな和食にけっこうフィットすることがわかったのです。

瓶に鼻先を近づけるとかなり特徴的な香りがするナンプラー。何にでも使うのはちょっと……と敬遠しがちですが、思い切って使ってみると、こんなにいろんなものに合うとは! と驚きです。ナンプラーを入れてみてもしピンとこなかったら、酢や砂糖で酸味や甘みを足しましょう。それでもバランスが悪かったら、唐辛子をプラス。そう、みなさんご存じの、生春巻きのたれの組み合わせです。たとえば、きゅうりとわかめとちりめんじゃこの和え物を、三杯酢や二杯酢の代わりに、このたれで和えてみてください。このナンプラーだれをアレンジしたつゆと、たっぷりの薬味で食べる素麺も絶品です。鶏や魚の唐揚げにレモンやポン酢のようにかけるのもおすすめ。これを葉野菜で巻けば、ちょっとしたアジア風のごちそうになります。

ナンプラーは加熱してもコクが出ておいしいので、炒め物や汁物の味付けにも使ってみましょう。難しく考える必要はなく、いつもしょうゆや塩を入れるところを、ナンプラーに変えるだけ。ここでも、酢と砂糖と唐辛子を脇に控えさせ、バランスをみながら加えていくのがコツ。単体よりむしろ、他の味を加えることで本領を発揮できる調味料といえるかもしれません。ナンプラー味の甘酢炒めなんて、食欲をそそりますね。アンチョビと同種の魚のうまみがあるので、野菜をたっぷり食べられるし、オリーブオイルやバターと合わせても意外なほどしっくりきます。

昨今の日本の夏の暑さは、ほぼアジアの熱帯エリア級。ナンプラーの秘めたる可能性を気軽に試しながら、いろいろな料理に活用すれば、日々の食卓がもっと楽しくなると思います。そうなれば、1瓶なんて1シーズンであっという間に使い切ってしまうかもしれませんね。

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