新しいおいしさの見つけ方、料理本の新しい使い方

来月、出演が決まっているNHK「きょうの料理」で、和の薬味を洋の料理に使うレシピをご紹介することになっています。「薬味たっぷり簡単おかず」というテーマで、和食、洋風料理、エスニック料理を3人の料理研究家がそれぞれ担当する予定で、私はその中の「洋」の担当。洋風のハーブではなく日本の薬味を使うのがポイントで、みょうがやしょうが、ねぎや大葉を、洋風の料理においしくマッチさせるには?というのが命題です。

でも考えてみれば、洋のハーブも和の薬味も使い方はほぼ一緒。洋風おかずに和の薬味を使っても、逆に和風のおかずに洋のハーブを使っても、おいしいものはできるはず。常日頃からそう思っていたので、とてもやりがいのあるオーダーをいただいたとうれしく感じました。

しょうがを効かせたラタトゥイユ、大葉をたっぷり入れたチキンとポテトのアーリオオーリオ、薬味を刻んで入れたタルタルソースなど、少し頭を柔らかくしてみれば、いろいろな組み合わせが考えられます。とはいえ何でもかんでも組み合わせられるわけではないので、合うか合わないか、おいしくなるかならないかは、小さなチャレンジを続けて試していく必要があります。そんな時間から、思いもかけない新しいおいしさが生まれてきます。

そこで思ったのが、読者のみなさんは普段、料理本をどんなふうに使われているのかな、ということ。もしかしたら家庭における料理って、本に載っているレシピを一から読んでその通りに作るか、あるいは本は一切使わず、ある素材を焼いたりゆでたりして味付けするだけか、その両極なのでは?という気もします。そこにちょっとしたチャレンジ、小さな冒険心を入れていく余地があれば、食卓はもっと豊かになるのではないでしょうか。

料理本から覚えたお気に入りのレシピがあったとして、必ずその材料だけで作らなければいけないわけではありません。冷蔵庫にちょっと残っているあの材料、加えたらどうだろう?と考えてみると、ちょっとした頭の体操になります。料理本は、掲載したレシピをできるだけ多くの皆さんに作ってもらいたいと、料理研究家や料理編集者が情熱を込めて、使命のもとに編集しています。そんなプロのナビゲーションを上手に利用して、そこに自分の意見をちょっとのせて、楽しんでみるのもまたひとつの方法だと思います。

そう、ときには料理本を「ネタ帳」と思って眺めてみると、何か新しいアイディアが生まれるかもしれません。たとえばファッション誌を見るときは、コーディネートは参考にするけれど、上から下まで同じものを揃えるわけではありませんよね。自分の持っているアイテムに何か足してこんな雰囲気にならないかな、と考えると思います。そんなふうに「コーディネートのネタを拾う」利用法で料理本を眺めてみると、おいしい料理への近道が、またひとつ見つかるのではないでしょうか。

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