6月は梅仕事でスタート

日本の家庭には、昔から作り続けられてきた伝統の保存食があります。季節ごとに自然の恵みを保存して、長期間楽しめるように工夫する暮らしの知恵。これから旬を迎えるのは梅、新しょうが、らっきょうですが、これら「3点セット」のうち、梅は特にさまざまな使途があります。果実の保存食はトップシーズンにしか作れないものなので、旬の時期にぜひトライしていただけたら、と思います。

梅を使った保存食といえば、何が思い浮かびますか? 梅干、梅酒、梅みそ、梅ジャム、梅シロップ……いろいろありますが、私は、初心者の方がいちばん気軽にトライできるのは梅酒だと思っています。たとえば、梅干を家庭で作るには実際かなりの手間がかかりますし、しっかり塩分を効かせないと保存が難しいため、今主流となっている減塩タイプや甘みを加えたものを作るのは至難の技。昔ながらの塩っぱい梅干も、それはそれでおいしいものですが、なかなか気軽に作るという感じではないですね。

その点、梅酒は材料もプロセスもとてもシンプルです。保存瓶に梅と氷砂糖を交互に入れてお酒を注ぐだけで、夏の終わり頃にはエキスが滲み出たおいしい梅酒に。ポイントは瓶も梅もきれいに洗ってしっかり乾かすことだけ。瓶はアルコール度の高いお酒か酢で内側を拭いて乾燥させ、梅はヘタをきちんと取り除いてくださいね。3、4ヶ月後から飲めますが、できたら半年以上おいたほうがおいしいので、我が家では毎年、次の年に飲む梅酒を仕込み、保存瓶の中の梅酒が残り少なくなった初夏、それを別の瓶にあけて、また新しく作るというペースで20年以上楽しんでいます。今年からは大学生の息子が仕込み係になりました。

果実酒用のブランデーやホワイトリカーのほかに、日本酒で仕込む梅酒もおいしいものです。梅1kg、日本酒1升、氷砂糖600〜800gくらいの割合で、作り方は同じ。日本酒ベースの梅酒は割らずにそのままかロックで飲むのがおすすめです。お酒が飲めない人は梅と砂糖だけで作る梅シロップもいいですね。また梅酒に浸かっていた梅は、写真のような梅酒ゼリーに仕立てたり、刻んでフルーツケーキに焼き込んだりしても楽しめます。小さな可愛い青梅が出てきた今が作りどき。初めての方もぜひ、楽しい梅仕事にトライしてみてください。

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