今こそ、家庭の食を考えるチャンスに

新型コロナウィルス対策のため、学校は一斉休校、職場はリモートワーク、外出や外食を控えているという人も多いという今の状況。これまでになく「家でごはんを食べる」機会が増えています。そんな中、毎日三度三度のごはん作りがいつも以上に大変で辟易してしまう、マンネリで煮つまってしまう、という声をよく聞きます。

今日は麻婆豆腐、明日はスパゲティミートソース。そんなふうに毎日作るものを料理名で決めると、知っているレパートリーの数の中だけでしかメニューを回せません。本を開いたりレシピ検索をしたりして料理を見つけても、その中からすぐに作れそうなものを選ぶと、結局変わりばえのしないセレクトになってしまいませんか。もちろん、料理書や雑誌の記事などから新しいレシピに挑戦するのは大切なことですし、どんどんやってほしいのですが、実際に使えるレパートリーを確実に増やす手段がもう一つあります。それは「食材から考える」こと。料理の大切な考え方の基本になるし、結局のところ一番良い方法なのでは、と思うのです。

この方法論は、シンプルな3ステップです。①「食材」を決める ②「どういう味付けで食べたいか」を決める ③「どういう調理法にするか」を決める ……そうするとおのずと作れるものが整理されて、具体的な料理、レシピが決まります。これは実際に私が新しいレシピを開発したり、日々の家族の食事を作ったりするときにも実践している方法です。

これを口頭で説明するのはちょっと難しい。ならば図にして……ということで考えたのが「おかずチャート」。これを基本に料理と献立を解説した一冊が先週、発売になりました。食材選びからスタートして、チャートに従って選んでいけば、今日食べたいおかず、作るメニューまでの道標を教えてくれるナビゲートシステムです。

たとえば鶏むね肉という食材を決めたら、次にこれを和風で食べたいか、洋風で食べたいか、中華やエスニック風味で食べたいかを決めます。そして次の段階で、焼く、煮る、炒める、揚げる、蒸すなどから調理法を選ぶのです。よし、今日は揚げ物は大変だから炒め物にしよう!ということで、鶏肉の洋風の炒め物に決定。さあ、どんなレシピがあるかな? そんなふうに決めていきます。食材→味付け→調理法と枝分かれしたチャートには、鶏むね肉だけで15種類のレシピがあります。食材は他に、鶏の手羽先・手羽元、豚肉、牛肉、ひき肉、魚介、切り身魚、豆腐・厚揚げなど、普段の食事作りでよく使うものばかり。きっと、今日食べたいものが見つかるはずです。

家庭で食事を作る人が選んでもいいし、家族と相談してメニューを決めてもいい。家にいて時間がたっぷりある子どもたちと一緒に考えてもいいですね。

今、世の中はとても大変な状況ですが、外食や買い物も普段通りにいかない時だからこそ、家庭の食を考え直すチャンスとも言えます。この状況はやや長丁場になるかもしれませんが、家族で団結して、食べることについての考えを共有する機会にできたら、と思います。

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